健康診断では必ず血圧を測定しますが、血圧が高いまま放置してしまう方が多くいらっしゃいます。また、いざ病院に罹ろうとした場合、何科を受診すれば良いのかわからないという方も少なくありません。
そこで今回は、血圧が高かった場合に受診すべき病院や高血圧の種類、検査や治療など、高血圧での受診について網羅的に解説します。
目次
血圧が高かったら、どの診療科目を受診すればいい?
健診で血圧が高いと診断されたり、自宅で測定して血圧が高かった場合は、生活習慣病の診療を得意とする内科や、腎臓内科などの早期受診をおすすめします。
高血圧とは収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の状態を指します。それぞれの基準値は以下の表の通りです。
参考:eーヘルスネット「高血圧」
高血圧の精密検査とは?
高血圧値が確認されると、高血圧を発症している原因を調べるために精密検査を受けます。ただし、高血圧は一次性高血圧(本能性高血圧)と二次性高血圧の2種類があり、本能性高血圧は明確な原因がわかりません。どちらの高血圧に分類されるかは、精密検査による原因で決まります。
ここからは2種類の高血圧について、それぞれの原因と検査方法をご紹介します。
一次性高血圧または本態性高血圧
一次性高血圧または本能性高血圧とは、明確な原因がわからない高血圧症のことです。高血圧の約9割は一次性高血圧または本能性高血圧で、明確な原因はわかっていないものの生活習慣の乱れが原因となることが多いと考えられています。
検査方法は血圧検査や尿検査、超音波検査などです。また、必要に応じて頭部MRI検査や腹部CT検査をすることもあります。
二次性高血圧
二次性高血圧とは、血圧が上がる原因が明確になっている高血圧のことです。高血圧は、薬剤の副反応や腎臓病や甲状腺を代表とするホルモン異常などの疾患で発症することもあります。このように、他の疾病が原因で発症した高血圧は二次性高血圧です。
二次性高血圧が疑われる場合の検査は、心電図検査や胸部X線検査、肥満の検査、血液検査などが基本です。
高血圧の治療とは?
実際に高血圧と診断された場合、どのような治療をするのか知らないという方も多いでしょう。高血圧の主な治療は、まずは塩分摂取を抑える食事指導が基本となり、続いて降圧剤の内服を検討していきます。家庭内での生活習慣の改善も大切です。
ここからは、高血圧の治療について詳しくご紹介します。
降圧薬の処方
高血圧の主な治療の一つに、降圧剤の内服があります。降圧薬とは、その名の通り血圧を下げる薬のことで、降圧薬を飲むことで血圧を下げ、動脈やその他の臓器の負担の軽減を図ります。
また、血圧が高い状態が続いて動脈やその他の臓器に負担がかかり続けると、脳卒中や心疾患、腎疾患など合併症の発症リスクが高まります。合併症の発症リスクを抑える目的でも、降圧薬の内服で血圧コントロールを行うことは重要です。
生活習慣の改善方法
高血圧(主に本態性高血圧)の治療において、食事をはじめとする生活習慣の改善も大切です。
家庭内でできる改善としては、禁煙や禁酒、適度な運動、バランスの取れた食事そして、なにより塩分摂取を控えることです。生活習慣の乱れは、高血圧以外にも糖尿病など生活習慣病の原因になります。高血圧の改善や生活習慣病の予防のために、生活習慣の見直しと改善を図る必要があります。
また、生活習慣の改善は高血圧の予防にもつながります。高血圧と診断されていない方も、日頃から生活習慣が乱れないように注意しましょう。
参考:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」
まとめ
健診で高血圧の数値が出たら、内科、循環器内科または腎臓内科を受診しましょう。高血圧を放置しておくと、動脈や臓器に負担がかかって脳卒中や心疾患、腎疾患などの合併症を引き起こすリスクが高まります。
「血圧はすぐに戻る」と決めつけたり、高血圧を甘く見るのではなく、早めに内科または循環器内科を受診して適切な治療を受けましょう。